まんじゅうじいさん | あらいゆきこ
『食べるのを忘れられてしまった「おいしいまんじゅう」が
わしを食べるものはだれもいないのか、と
戸棚を出て街へ出て行くおはなし』
食べる前に手を洗えとか、いただきますを言えとか文句をつけていくうちにほんとにだれも食べなくなり、つぶれてしまい、家に帰ってくる。きっとおいしいおまんじゅうはそういうものだろうから、と最後は簡単に食べられてしまうのが、あっけない。
まんじゅうじいさんを追いかけてずっとついてくるネコと、まんじゅうじいさんの「ちょっとまて」が、いいリズムをとっている。ちなみにネコは最初から「わたしが食べましょう」と言っているのに食べることはできません。