いっしょにあそばへん? | 岡田よしたか
『眠れない楽器たちが
夜な夜な公園にあつまって
いっしょに音を出して盛り上がるお話』
表紙の絵を見た途端、これってあのハブラシくんと同じ人だね!といってよろこぶ長男くん。
夜中になるおくんのカスタネットが眠れなくて、とらこちゃん家のトライアングルと夜の公園に出かける。りこちゃんとこのリコーダーもやってくる。
そのあとに登場するハーモニカとピアニカは、はーもくんやぴあちゃんのとこから来たのか、わからない。リコーダーやピアニカは学校で使うものだから一人ひとつ必ず持っている楽器だ。でもリコーダー1本、ピアニカ1台だけ来たということはたぶん、ほかのリコーダーとピアニカたちは眠っているんだと思う。
おおだいことシンバルが音を鳴らしながら登場。これは家庭にある楽器でもないだろうから学校の音楽室の中でも不眠症の楽器がきたのかとおもう。
アップライトピアノも来る。このページで子どもたちは大爆笑になるのだけども、音楽室のピアノってたいていグランドピアノだから、このアップライトはどこかの家のかな。眠れない楽器たちはけっこういるものだ。
夜の公園は不眠でテンションの上がった楽器たちでいっぱいになって、やがて明け方のからすたちと合流する。さらに夜が明けると子どもたちもやってきて、大合奏になるというお話だ。
ぼくは耳鳴りがひどくて、不眠ではないけど4時に目が覚めてしまったりすることがときどきある。朝4時の世界は、夜を明かしてこれから眠る人と今目覚めてこれから活動する人が同居する短い時間帯だ。あの時間に起きてしまうともう眠れないし、それでいて10時ごろには眠くて仕方なくなる。
以前、夜勤の仕事をしていた事がある。特殊なフィルムスキャナーを一晩回し続ける仕事で、24時間稼働させないと納品に間に合わないための一時的な体制だった。22時に自転車で勤務地まで移動して、朝6時まで業務をして、また自転車こいで帰ってくる。早朝の朝マックでコーヒーを飲んで家に帰るという日程だ。
この楽器の絵本は、そんな夜から朝への時間帯を描いているので、明け方の眠さを思い出しながら読んでいた。関係ないけど岡田よしたかって中田ヤスタカと名前が似てるよね。