おさる日記 | 和田誠,村上康成
『お父さんがつれて帰ってきたおさるを家で飼い、
次第に成長していく様を
主人公の男の子が書く日記を通じて進められるストーリー』
表紙のバナナがポップアートのようで気になった本。
日記風の文体は文節のつなぎあわせがすこしおかしい。でもそれが小学生の書いた日記の演出になっている。さいしょおさるは小さくて赤ちゃんみたいでかわいいけど、ちょっとずつ成長して、毛が抜けて、「しんちゃん!」と名前を呼ぶようになるのだ。
学校の勉強で「進化論」のくだりが引用されるのも伏線だ。おさるを連れてきたお父さんは豪華客船の客室係の仕事をしているようで、どこかわからない外国のおさるという設定。しかし。
最後のセリフで明らかになる事とぎゃくに気になる事もでてくるんだけど、そこは読者の解釈に委ねられる。子どもたちに伝わるだろうか。なんて思ってたけど小3の子どもはすぐに分かって、「えーここで終わるの?」と、続きが気になってさわぐのだった。