紳士とオバケ氏 | たかどのほうこ,飯野和好
『真面目な紳士と家を守るオバケ氏が
古い家で昼夜交代で仲良く生活する
程よくほんわかしたお話』
真面目な紳士はマジノ・マジヒコという。名前は服飾デザイナーっぽいけど第三経理部で働く規則正しい生活を送るサラリーマンだ。オバケ氏はマジノ家代々の家を守ってきた「家オバケ」。この二人の奥ゆかしい交流を描くストーリー。
同じ家の中で暮らしていてもオバケと人は活動時間が違うから、書き置きのやり取りでコミュニケーションが進む。そんな絵本は読んだことがあるけど、この二人はさらに親密になっていくところがちょっと違う。オバケに本を勧めてみたらお礼に朝ごはんが出来ていたり、そのうちいっしょにチェスを指し、夜更かしして寝坊したら、代わりにオバケが会社に行ったりするのだ。会社に代わりに行ってくれるオバケなんて、サラリーマンからするとうらやましい存在だけどね。
最近は絵本も読む数が減ってきて、そのかわり児童書が多くなった。子どもたちが自分でも読めるようになったせいもあるけど、それでも読み聞かせ需要はまだあるっぽいからたまに読んであげているのだった。
おもちのかいすいよく | 苅田澄子,植垣歩子
『おもちのもーちゃんとちーちゃんが
海に来てなかよく遊ぶ
ほんわかとしたお話』
おもちが銭湯にいく絵本の続編、おもちシリーズということで読んであげた。
植垣歩子さんの描く擬人化された食べ物の絵がとにかくかわいい。お寿司がしょうゆ味のカキ氷を食べたり、パンが日焼けしてコゲついたりするのも楽しい。そもそも海に入ったりしてはいけないような「食材」たちのすごい状態のビーチを俯瞰して見るのもまた楽しい。炎天下に寿司とか、傷むのではないかなど、心配になる。
うちの子どもたちは、この絵本を読むにはやや年がいってるので、「パンがびちょびちょになるだろ!」だの「パンツはいてない!」だのツッコみながらも楽しんでいる様子だった。浜辺全体を描いたページがお気に入りだ。