どんぐりと山猫 | 宮沢賢治,小林敏也
『いちろうの家に突然
やまねこからハガキがきて、
どんぐりたちの裁判をすることになるお話』
お話じたいは有名な宮沢賢治のテキストそのままだ。
絵本の装丁と文字配置がダイナミックではげしい。
宮沢賢治の童話を絵本にしたものでも、これはかなり見ごたえのある作りになっている。 大人が感心して眺めてしまう一品。
いちろうと山猫のやりとりで好きなのは、タバコを勧められて断ったとき「まだお若いから」というくだりと、次回のハガキの文面は「用事これありに付き、明日(みょうにち)出頭すべし」でいいか、と聞くところだ。
長男君が生まれる前から胎教で読み聞かせていた本のひとつが、文庫版の宮沢賢治で、とくに「どんぐりと山猫」は何度も読んだ作品で、思い入れがあるのだった。
小林敏也さんのウェブサイト。