キュッパのおんがくかい | オーシル・カンスタ・ヨンセン,ひだにれいこ
『丸太の男の子キュッパが楽団に憧れて入団するが
怒られてしまう。かわりに自分の楽団をつくり、
森で音楽会をひらくお話』
キュッパは丸太の男の子。森に住んでいる。
テレビでやっていた音楽会をみて自分でもやりたくなったキュッパとググラン。それを知ったおばあちゃんが、むかし自分が所属していた楽団に電話をしてくれて、キュッパとググランはそこに入団することになった。
でもキュッパもググランも楽器は弾けない。じぶんの楽器をきめたものの、音の出し方の練習から始めることになる、というお話。
この絵本はゆるっとした感じの絵ながら、細かいパーツがたくさん描き込まれている。たくさんの楽器とか森の木々(顔がある)とか部屋の物とか。子どもは、描き込みが多い絵をみるとストーリーからはずれて絵のチェックをはじめる。
『キュッパの博物館』もタイトルのとおりモノがたくさんあって、それを並べて博物館にするお話だ。こういうふうにモノがあふれ返るくらい描き込まれている絵本は見どころが多くて楽しいらしい。
さいごの”音楽会”のシーンは、そこらじゅうのモノを楽器にして、みんなで大合奏をするのだけど、この見開きの絵はなんだかフリーダムな雰囲気でいい。
まったくこの絵本と関係ないんだけどテリーライリーという音楽家がいて、「in C」という作品がある。大人数で数十分かけて「C」の音階のフレーズを繰り返し演奏する音楽で、ぼくはちょっとこの曲を思い出した。